大和ハウス工業(株)は12日、(社)電子情報産業協会(以下JEITA)が家庭用に開発した「緊急地震速報活用・IT自動防災システム」の実用化に向けて、同システムの実証試験に4月1日より参画すると発表した。
この実証試験は、気象庁が2004年2月から開始している緊急地震速報の活用方策評価(実証試験)にJEITAが協力し、関連民間企業とともに行なっていくというもの。
地震には伝播速度の速い「P波(初期微動)」と、伝播速度は遅いが大きな揺れを起こす「S波(主要動)」があり、その被害の多くはS波到達以降に引き起こされるという特徴がある。その特徴を利用したのが「緊急地震速報活用・IT自動防災システム」だ。
震源地近くでP波を検知した気象庁が、緊急地震速報を発信。その速報を受信したJEITAまたは協力各社が、家庭内実証試験対策対象地域における予測震度とS波(主要動)の到達予測時刻を独自に計算し、その結果をインターネットを介して実証試験参加家庭に音声で伝達する。
同システムが実用化されれば、地震が起きた際、各家庭に緊急速報ならびにガスや電気などの熱源遮断を自動的に行なうことも可能となり、地震被害の軽減が期待される。実用化の目標は、2006年度内。
大和ハウス工業では、同社が分譲する戸建住宅地「フローラルアベニュー南大沢」(東京都八王子市、対象戸数42戸)の購入客に実証試験の主旨を説明し協力を依頼、応諾を得た住宅にシステムを設置していく。
同社では2005年1月~3月に協力世帯を募集、システムを設置し、05年4月~2006年3月末日に実証試験およびアンケート調査、ヒアリングを実施する。その後、実用化にともなう問題点や課題等を抽出し報告書を作成する予定。