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大韓住宅公社が日本の賃貸住宅事情を視察

視察団に日本の賃貸住宅事業の現状を解説する清水新一社長

 韓国の公営住宅の管理を手がける大韓住宅公社から、日本の民間賃貸住宅運営・管理の実習のため4名のスタッフが訪日。(財)日本賃貸住宅管理協会のコーディネイトにより、5月15日~21日にわたりさまざまな視察を行なった。

 大韓住宅公社は、1962年に設立された、住宅建設と都市再開発を手かげる公共団体。これまでに20万戸の賃貸住宅と80万戸の分譲住宅を供給してきた。現在、韓国では低所得者層の住居水準向上のために「2012年までに100万戸の賃貸住宅を供給する」という目標を掲げている。住宅公社も、年間8~9万戸の賃貸住宅を建設しており、近い将来、これら大量のストックの運営管理が問題となってくる。すでに1,200万戸ものストックがあり、さまざまな賃貸管理形態のある日本の事情を学ぶことで、より効率的な管理体制を構築できればと、日管協に視察コーディネイトの依頼があった。

 今回の視察には、同公社のリョ・ホンギョルゼネラルマネジャーを筆頭に、マーケティング・リサーチの専門家4名が参加。一行は、東京都都市整備局、東京都住宅供給公社、都市機構の住宅管理センターなどを視察。その運営管理手法を学んだ。
 最終日の20日には、日管協会員のハウジング恒産(代表取締役:清水新一氏)を訪問。同社の管理する高齢者住宅「ソレイユひばりが丘」とその遠隔管理センター、同社の管理員研修センターなどを視察後、新宿区のハウジング恒産本社を訪れ、清水社長から「日本の賃貸住宅事情」の説明を受けた。

 視察団一行を前にした清水社長は「日本と韓国の大きな違いは、賃貸住宅が足りないか余っているかという点。家が余っているから、日本は借りてもらうための努力をしなければならない。民間の業者は、そうした市況の変化にフレキシブルに対応している。公的住宅を管理する行政は、こうした努力に対する考え方が堅いが、東京都が26万戸の都営住宅の半分程度を民間会社に管理委託する方針を固めた。韓国もいずれ、日本と同じ道を歩むと思う」と語り、同社の賃貸住宅サポートシステム、サブリースシステムなどの説明を行なった。
 民間業者による賃貸住宅管理業が確立されていない韓国らしく、視察団からはサブリース契約などを中心に、さまざまな質問が飛び出していた。


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