(社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)の藤田和夫会長は3日、専門誌記者と会談し、激しく変化する不動産業界のニーズに対応した「不動産業界のプロ」を育成するための教育機関を全宅連として創設し、人材育成に力を入れていく方針を明らかにした。
藤田氏は「われわれの団体は、事業計画通りに事業を行なうことを目的にしていてはダメだ。社会情勢や事業環境は刻一刻と変化しているのだから、今後はそれに対応した事業を機動的に打ち出していきたい。そのために必要な予算措置は的確に講じていく」と語った。
具体的には、「私が会長を務める東京都宅地建物取引業協会で開催している“宅建経営塾”が盛況なのを見ても分かるように、会員の間ではもっともっと勉強しなくてはまずいという声が多い。逆に勉強しなければ、社会の流れについていけなくなるだろうし、そうした業者はいずれ消えていくことになる。全宅連としても、こうした声に応えるため、不動産業界のプロを養成するための教育機関を設置するべきと考えている。会員やその門弟だけでなく、会員外の業者や一般の人達にも勉強してもらえるようなものにしたい」とした。
また、7月から都宅協限定で公庫証券化ローン「フラット35」の提供をスタートする「全宅住宅ローン」については、「どこよりも低い金利の商品を提供したい。他社は全国の支店コストまで考えなくてはならないが、われわれは全国11万会員が支店であり、本店コストだけ考えていればいい」とし、開業2年目の2006年度には黒字化し、「全宅住宅ローンでの経験を生かし、将来的には全宅連会員のための総合金融機関設立をめざしたい」と抱負を述べた。