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2030年都市人口は減少/国交省「都市・地域レポート2005」発表

 国土交通省は26日、都市や地域に関する課題を分析した「都市・地域レポート2005」を発表した。

 これによると、都市圏(人口10万人以上で昼夜間人口比率が1以上の都市=核都市への通勤通学が5%または500人以上の市町村を含む圏域)は、人口増加や交通利便性の向上等を背景に、1960年時点と比べ、2000年時点で1.5倍~2倍に広域化。しかしその一方で、核都市の人口シェア、商業年間販売額シェア、製造物出荷額シェアは低下傾向していることが分かった。
 なお、2000年現在では85の都市圏(113核都市)が存在、全国人口の約9割が都市圏に居住している。

 今後の動向としては、2030年の都市圏人口が、2000年時点の95%となるとの推計結果から、2030年に2000年以上の人口を維持している都市圏は11都市圏に減少することが予想されている。特に、地方都市圏では人口減少が顕著となる見込みで、同レポートでは、中心市街地の機能低下や周辺部の無秩序な土地利用、自動車を利用できない高齢者等のモビリティ確保等の問題発生などが今後の課題となると分析している。

 また、2000年~2030年までの都市圏人口の推移を地域ごとに見てみると、関東、中部、近畿では人口減少率が全般的に低いものの、北海道、東北、九州では核都市人口10万人台での人口減少が目立つものと見られる。北陸、中国、四国では県庁所在地都市圏の人口減少率は比較的低いが、規模の小さい都市圏での人口減少が目立っており、全国的には、人口規模が小さいほど人口減少率が高くなる傾向。

 同レポートでは、今後、現在の自動車に依存した都市圏構造を転換し、高齢者等にも配慮しながら経済的・環境的に負荷の小さい持続的な圏域を形成していくことが必要と指摘。広域的視点から圏域内の連携を図るとともに、コンパクトな都市圏構造の実現を図るとともに、核都市圏がそれぞれの地域における役割を踏まえた機能向上方策を検討していく必要があるとしている。


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