国土審議会土地政策分科会企画部会不動産投資市場検討委員会(委員長・前川俊一明海大学不動産学部教授)は9日、「土地政策の観点からの不動産投資市場の検証と課題」と題した中間整理を発表した。
土地利用の再編・再生を実現するため、不動産市場と資本市場とをつなぐ不動産証券化の役割はますます増大するとの考えにたち、不動産投資市場に関して進めるべき施策等を、同小委員会で検討しまとめたもの。
中間整理では、不動産投資市場の拡大により、土地市場における資産デフレの歯止め、不稼動不動産の稼動化、不動産経営の効率化、不動産市場の透明化、不動産価格の安定化機能のビルトインなどが図られた、と分析。
一方で、不動産投資市場の問題点として、投資リスクが適切に情報開示されない、物件管理がおろそかになる、不動産価格の擾乱、良好な都市形成への責任の希薄化などをあげ、それらの問題点を解決するため不動産投資市場に備えられるべき機能として「不動産個別属性情報の投資家への的確な開示」「長期的師やにたった管理・運営方針の投資家への明示」「不動産の運用・経営に責任を有する主体による投資家への説明責任」「価格面での説明責任の充実」「不動産流通コストの軽減」などをあげている。