社会資本整備審議会産業分科会不動産部会は26日、「投資家が安心して参加できる不動産市場の在り方」と題した中間整理をまとめた。
今年10月、国交相の諮問を受け、「不動産投資市場の特性に基づく投資家保護ルールがどうあるべきか」について、「情報開示」「不動産投資のプロ・アマ区分」「不動産投資顧問業等バイプレーヤー育成」「不動産管理」などにつき、3回にわたって議論してきたもの。
このうち、情報の開示については、JREITやSPCについては、有価証券としての性質が株式と同じ事から投資市場の共通ルールを適用することが合理的としている。
一方、ビークル規制のないYKTKスキームについては、発行者である有限会社が責任を負うことは困難であることから、運用者の責任を明確にさせるような方策を、会計上の観点も含めて検討する必要があるとした。不動産投資における開示について、開発型投資については物件売却戦略なども重要な事項とした。
不動産投資市場の裾野が拡大し、より多くの投資家が適正な投資機会を享受するために、投資家の判断をサポートする投資顧問業のようなバイプレーヤーは極めて重要とし、投資一任業についても、機関投資家の潜在的ニーズを踏まえ、制度上の位置づけも含めて前向きに検討を進める必要があるとした。
一方、不動産投資スキームにおいては、アセットマネジメント会社と日常の管理業務を担うプロパティマネジメント会社とが密接な情報交換・報告体制を構築すべきとし、PM会社に対する必要以上の規制は避け、その能力を客観的に評価できる基準を検討すべきとしている。
同部会では、今後残された課題の検討と、「良質な資産を生み出す不動産市場のあり方」についての議論にも着手。来年夏ごろをめどに成果を報告する予定。