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危険造成地の減災対策を/「総合的な宅地防災対策に関する検討会」が報告

 国土交通省は25日、「総合的な宅地防災対策に関する検討会(座長・太田秀樹東京工業大学大学院教授)報告」を発表した。
 同検討会は、造成地における土砂流出防止に重点を置いていた宅地防災対策を、地震時の被害軽減を重視する総合的な地震災害対策へ強化・推進するために必要な課題を検討するため、昨年5月、学識経験者等10名により設置。5回にわたる検討を行ない、パブリックコメントを実施したうえで報告としてまとめた。

 報告ではまず、基本的な目標を「大地震時における大規模盛土造成地の安全性に係る技術的基準を明確化する」とし、今後新規に造成される大規模盛土造成地の安全確保の方策を実施。危険な既存造成地、特に危険な大規模谷埋盛土については、10年間で半減させるべき、とした。こうした造成地については、地方公共団体などがリスクアセスメントを行い、危険造成地に適切な「減災対策」を講じるべきとした。

 また、宅地防災対策推進のため実施すべき施策として、宅地安全性に係る技術基準の明確化、宅地ハザードマップの作成、宅地造成等規正法の改正、新規宅地造成に係る耐震性の確保などをあげた。さらに、個人所有の宅地に対する「減災支援」としての政策介入、あるいは災害発生後の対応などについて、さらに議論が必要とした。


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