国土交通大臣の私的諮問機関「構造計算書偽装問題に関する緊急調査委員会」(座長・巽和夫京都大学名誉教授)は8日、中間報告を発表した。12月16日の初会合から5回の検討、関係者へのヒアリングを経た結果をまとめたもの。
同委員会では、今回の事件で明らかになった課題を「建築物の安全性についての認識のギャップ」「住宅の供給形態の多様化、建築技術の高度化等への対応の遅れ」「構造計算プログラムの普及による設計や審査のブラックボックス化」「住宅についての保証のニーズの制度的対応の遅れ」「建築ストック重視社会への転換」と位置づけ。今後検討すべき課題として、審査方法の改善、審査者の能力向上、責任の明確化など、建築確認制度の抜本的見直し、確認検査機関の再構築、構造専門家の位置づけ、建築士の資格制度見直しなど人的体制整備、保証制度の活用などによるリスク回避といった消費者保護、情報収集の仕組み整備、被害者救済等問題発生後の対応=国民への十分な説明、などをあげ、これらについて、緊急に取り組むこと、中長期的に取り組みことを分別していくべきとしている。