国土交通省は7日、札幌市内のマンション建築主が供給したマンションに構造計算書の偽装が発覚したことについて、札幌市から報告があったことを公表した。
札幌市内のマンション建築主が、自社物件の検証を行なったところ、構造計算書に疑義が生じ、下請けの構造設計者から「構造計算書の偽装を行なった」旨の発言があったことにより発覚したもの。
札幌市では、(社)日本建築構造技術者協会北海道支部(JSCA)へ構造計算の再計算を委託しており、JSCAからの中間報告をふまえ、入居者の退去など緊急に対応が必要とされる保有水平耐力0.5未満の建築物は無いと判断。今後、調査中の物件について問題があることが判明した場合には、ただちに所有者等への通知、および物件名等を公表するとしている。
なお、構造計算を行なったのは、浅沼良一・2級建築士だが、2級建築士には鉄筋コンクリート造300平方メートル以上の建築物などの構造計算書の作成が認められておらず、国土交通省では、事実関係を把握したうえで、同建築士を処分・告発する方針。
現時点の調査では、同氏が関与した物件は、全道で112物件(北海道以外では仕事をしていない)にのぼり、同氏はこのうち札幌市内の79件中33件につき、構造計算書の偽装を認めているという。