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土地総研、平成18年1月「不動産業業況等調査結果」発表

 (財)土地総合研究所は3日、「不動産業業況等調査結果」(平成18年1月調査)を発表した。

 同調査は、不動産市場における供給者および需要者サイドと不動産流通(仲介)業者の同行を把握し、より的確な不動産市場の需給動向を把握することを目的としたもの。三大都市圏、地方主要都市の不動産会社や不動産投資家など206社にアンケート調査を実施した。

 調査結果をもとに1月1日時点の不動産業の経営状況について不動産業業況指数を作成、業種ごとの経営状況(現況)を見てみると、住宅・宅地分譲業は26.0と「改善」、ビル賃貸業は8.6、不動産流通業(住宅地)は8.8と「わずかに改善」、不動産流通業(商業地)は65.0と「大幅に改善」との結果となった。経営状況に関する質問に調査対象の4業種のすべてが「プラスの指数」を示したのは、1993年1月に本調査が開始されて以来、初めての現象。

 不動産流通業(住宅地)全体として見ると、「マンションは低調、戸建は横ばい傾向、土地は好調(4項目すべてが2桁のプラス)」という傾向となった。
 マンションについては、特に「購入依頼件数」、および「取引価格」が2桁の落ち込みを示した。ただし、首都圏と地方、市内中心部と郊外との間では相当な温度差があるようであり、首都圏、特に都心部においては、「物件の品薄状態」を指摘する声が強い。
 また、耐震強度偽装問題は、新築マンションのみならず中古マンション取引にも何らかの影響を及ぼしているようであり、「検討客から建物の強度や設計図書の有無についての質問が多くなった」「一仲介業者ができる範囲を超えた要求をされる」等のコメントが複数寄せられた。
 土地については、大都市圏、地方都市圏とも、法人需要、個人需要を問わず、堅調な需要の伸びを指摘する声が強く、特に都市部では「やや過熱気味になっている」との指摘が複数寄せられた。

 なお、3ヵ月後の経営の見通しについては、住宅・宅地分譲業は6.6ポイント、ビル賃貸業は8.6、不動産流通業(住宅地)は14.4、不動産流通業(商業地)は30.0であり、4業種すべてがプラスの指数を示した。
 全業種とも先行きの見通しを比較的楽観視しており、特に不動産流通業では、従来から好調な商業地系はもとより、住宅地系においても高い指数を示している。


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