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構造計算書偽装事件を受け、今後の建築社会のあり方は?/「構造計算書偽装問題に関する緊急調査委員会」最終報告公表

 国土交通省は6日、一連の構造計算書偽装問題で設立された「構造計算書偽装問題に関する緊急調査委員会」の最終報告を公表した。

 国民の不安の極小化、偽装問題の背景といった視点から取りまとめられた同報告書では、一連の事件は、偽装は「氷山の一角」という認識へ国民は意識を転換、マンションの建築確認制度や建築生産システムに対する「安全性への不信」を招いたとした。
 また、建築士制度の機能不全や建築確認・検査制度の機能喪失など、なぜ偽装が起こり、見過ごされたのか、などについても触れられている。
 また、今後の建築社会のあり方に向けた提言として、ストック重視社会への転換、建築士制度の再構築、建築確認・検査制度の見直し、構造計算プログラムの改善、建築主事制度の見直し、施工体制の整備、流通市場の整備と消費者保護などについてもまとめられている。
 加えて、通報があった情報の扱いや、事態の検証・評価、住民への支援、耐震強度の問題、偽装事件の公表などの情報提供時期など、行政の対応についても報告されている。

 なお、同委員会は2005年12月16日から2006年3月27日まで計9回、会議を公開して行なわれた。

 会議の資料および議事概要、ならびに最終報告については国土交通省ホームページに掲載されている。


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