国土交通省土地・水資源局は19日、全国の都市部における地籍整備のための基礎的調査を現在進めており、2006年11月中に調査完了地域から「一定の手法により得られた公図と現況のずれの情報」を同省のホームページで公開すると発表した。
今回公表される資料は土地の所有に関わるものではなく、現在の土地の所有に影響はない。ただし、資料におけるずれは公図が現況と一致していないことを示すものであり、将来にわたって土地のトラブルを防ぐためには地籍調査により正確な地図を整備することが効果的であるとしている。
公表のねらいは、「一定の手法により得られた公図と現況のずれの情報を公開し、地籍調査促進の必要性を広く一般に訴える」こと。
該当する都市部とは、DID(人口集中地区)で、市町村の地域内で人口密度の高い地域(原則として人口密度が1キロ平方メートル当たり4,000人以上)が互いに隣接して、その人口が5,000人以上となる地域。
都市部の地籍調査は、土地の権利関係が複雑で筆数も多いことから、その進捗率は低位(地籍調査の進捗率は2005年度末現在、全国47%に対して都市部は19%)に止まっている。
この状況を改善し、都市開発事業や公共事業の円滑化・迅速化および安心のできる土地取引の基盤づくりを進めていくため、また05年6月、都市再生本部会合において全国の都市部における地籍整備を推進することとされたことを受け、同省では地籍整備のための基礎的調査である都市再生街区基本調査(05年~06年度)を現在進めている。
インターネットを通じて公表される公図と現況のずれの情報は、都市再生街区基本調査により、街区の官民境界等に関する資料の収集と現地踏査、街区基準点整備・街区点測量、公図の数値化、データベース化を経て得られるもの。
情報の表示は、ずれの程度を「極めて精度の高い地域」「一定程度一致する地域(A)」「一定程度一致する地域(B)」「大きく現況と異なる地域」に4分類し、ずれの程度に見合ったサンプルを表示する予定だ。