大和ハウス工業(株)はこのほど、個々の柱や耐力壁の強度を30%増強した(同社比)、軽量鉄骨造 戸建住宅向けの新工法を開発。6月22日~29日にわたり、新工法で建築した耐震および制震戸建住宅の2棟に対して同時に実大震動実験を実施し、応答加速度、応答変位など多くの性能値において業界一位(同社調べ)の成果が得られたと発表した。
今回の実大震動実験は、独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター(兵庫県三木市)内にある、世界最大を誇る実大三次元震動破壊実験装置(愛称:E-ディフェンス)にて実施されたもので、民間企業が同施設を用いて震動実験を行なうのは、今回が初。
実験にあたっては、新潟県中越地震では、本震発生後1ヵ月の間に震度4以上の余震が57回もあったことを想定。阪神・淡路大震災記録波およびその加速度の約2倍に相当する巨大地震動を含む、合計85回の繰り返し加振を実施した。
その結果、新工法で建築された耐震および制震戸建住宅の2棟はともに構造躯体、内外装に大きな損傷は生じることはなく、応答加速度、応答変位など多くの性能値で業界一位(同社調べ)となる成果を得た。
具体的な損傷の程度は、構造躯体においては耐震住宅では大きな損傷はなし、制震住宅では損傷なし、外装において耐震住宅ではほとんど損傷なし、制震住宅では損傷なし、内装においては耐震住宅では一部補修可能な軽微な損傷あり、制震住宅ではほとんど損傷なしとなった。
同社では、新工法の開発により、従来の同社戸建住宅と同等の耐震性を保ちながら耐力壁の数を減らすことができ、また柱の位置についても自由度が増したため、大空間、大開口部を実現できるようになったとしている。
なお、新工法の詳細については、新工法を採用する新商品の公表時(2006年9月頃)に併せて発表される予定。