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オフィス物件、東京千代田区など募集賃料の上昇傾向が鮮明に/三鬼商事7月度レポート

 三鬼商事(株)は11日、2006年7月末時点の東京・大阪のオフィスビル最新市況を調査・分析した「オフィスリポート8月号」を発表した。

【東京】
 東京ビジネス地区(都心5区)における7月末時点での平均空室率は、前月より0.10ポイント改善の3.00%。
 渋谷区で解約予告の影響が見られたものの、他のエリアで中堅企業の成約や入居が進んだため、都心5区全体ではこの1ヵ月間に空室在庫が約6,500坪減少。また、大型ビルが4棟完成したが、ほとんどのビルが竣工時に満室や高稼働となっており、年内に完成予定の大規模ビルや大型ビルの募集も好調となっていることから、近々に空室率3%を割り込む可能性が高くなってきたとしている。

 なお、東京都・千代田区の7月末時点の平均空室率は、1.88%。渋谷区でも1.98%となるなど、大型ビルは新築・既存ビルを問わず品薄感が強まっている。
 その他の東京ビジネス地区の平均空室率は、中央区が3.24%(前月比1.14%改善)、港区が4.33%(同1.18%改善)、新宿区が2.76%(同1.35%改善)となっている。
 また、同坪当たり平均賃料は、前年同月比の上昇率が高い順で、港区1万9,591円(前年同月比9.21%〈1,652円〉、前月比1.00%〈194円〉上昇)、千代田区1万9,595円(同7.26%<1,327円>、前月比1.3%<263円>上昇)、渋谷区1万9,637円(同6.19%〈1,144円〉、同0.93%〈181円〉上昇)、新宿区1万6,425円(同2.84%〈454円〉、同0.47%〈77円〉上昇)、中央区1万7,750円(同1.84%〈320円〉、同0.92%〈161円〉上昇)と、千代田区、港区、渋谷区の平均賃料の上昇傾向が鮮明な結果となった。

【大阪】
 大阪ビジネス地区の7月末時点平均空室率は、前月より0.15ポイントの改善の5.79%となった。7月はエリアを問わず成約や入居が進み、この1ヵ月間に空室在庫が約3,000坪減少。同空室率は9ヵ月間連続で低下している。
 また、オフィスの拡張意欲が高まっていることから、拡張移転や新規需要が増えており、建替需要や自社ビル売却に伴うオフィス需要が同空室率を押し下げた大きな要因になっている。

 うち、心斎橋・難波地区の7月末時点の平均空室率は、前月より0.65ポイント改善の6.00%。2005年7月に完成した「難波サンケイビル」(延床面積6,366坪)は満室稼動、好条件なオフィスビルの空室解消が進むなど、平均賃料に底入れ感が出てきており、市況に明るさが増してきた、としている。


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