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オフィス市況、東京都心では規模・エリアを問わず改善/三鬼商事8月度レポート

 三鬼商事(株)は8日、2006年8月末時点の東京・大阪のオフィスビル最新市況を調査・分析した「オフィスリポート9月号」を発表した。

【東京】
 東京ビジネス地区(都心5区)における8月末時点での平均空室率は、前月より0.02ポイント改善の2.98%。約14年ぶりに3%を割り込んだ。
 8月は中央区や港区、渋谷区で大型既存ビルの空室解消が進んだものの、他区での解約予告などの影響で募集面積が増加したため、この1ヵ月間に都心5区で減少した空室在庫は約1,000坪に止まった。
 都心5区ではエリアを問わず品薄感が強まっており、テナント企業の移転先の選択肢が狭まっていることから、中型ビルで分室対応するケースも増えている。また、周辺エリアに移転するテナント企業も見られる。オフィス需要は依然として旺盛なため、東京都心ではビルの規模やエリアを問わず市況改善が続いている。

 うち、東京都・中央区の8月末時点の平均空室率は、前年同月比1.63ポイント改善の2.86%。今年4月に大型ビル1棟が完成し、満室稼動。現在、竣工1年未満の大型ビルは3棟すべてが満室。年内の新規供給は11月に大型ビル2棟が竣工予定だが、両ビルとも満室稼動する見込み。既存ビルも募集状況が好調。8月は募集面積が大幅に減少し、同空室率は3%を割り込んだ。

【大阪】
 大阪ビジネス地区の8月末時点平均空室率は、前月より0.01ポイント上げて5.80%となった。8月は梅田地区や森南町地区などで募集面積が増加したが、淀屋橋・本町地区や船場築、新大阪地区で成約や入居が進んだ。
 船場地区では既存ビルに需要が出てきた。新大阪地区でも好条件のビルの募集面積が減少。テナント企業においては拡張傾向があるほか、中小規模の借り換え需要も旺盛。さらに、ビジネス地区外から新規進出してくる動きも見られる。これから年内の新規供給は11月に竣工予定の大型ビル1棟のみと少ないため、地区年数の浅いビルやリニューアルビルの空室解消が期待されている。

 うち、京都地区の8月末時点の平均空室率は、2005年末比2.89ポイント改善の5.77%。当地区の統計対象ビルは80棟あるが、8月末時点で満室稼動しているビルは約4割(31棟)に及んでいる。同社ではさらに市況改善が進むとみている。


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