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製販一体の新会社「三井不動産レジデンシャル」本格始動/三井不グループ

「多様なニーズに対して体制を生かして迅速な対応を行なっていきたい」と語る、三井不動産レジデンシャル社長・松本光弘氏

 三井不動産グループは、三井不動産(株)と三井不動産販売(株)に分かれていた住宅分譲事業の経営資源を統合し、三井不動産レジデンシャル(株)を設立。その本格始動に伴い、10日、記者発表を行なった。

 三井不動産レジデンシャルは、三井不動産の住宅分譲部門と三井不動産販売の新築住宅販売部門を経営統合し、製販一体会社として2005年12月に設立され、今月1日より本格的に業務スタートとなった。会見で、同社代表取締役社長・松本光弘氏は「マンションブランド戦略など両社が築いてきた実績やノウハウ、信頼を継承し、さらに進化、成長させていきたい」と語った。
 製販一体化は、住宅分譲事業において少子高齢化や小家族世帯化の進展、ライフスタイルの多様化などに伴った多様なニーズを迅速かつきめ細やかに対応するために構築したもの。
 ユーザーの購入検討期から入居後まで同社が一貫してサービスを提供することで、ユーザーの声を反映したサービスを実現していくとしている。また、長年のノウハウを活用することにより、単身世帯、高齢者世帯向け、リゾート・海外展開など新規ビジネスにも取り組み、事業領域を拡大していく予定。
 さらに、三井不動産とのコラボレーションにより住宅の枠にとどまらない複合開発も積極的に展開していく。
 今後の目標としては、グループの長期経営計画が終了する08年度までに、取扱戸数1万3,000戸、売上3,200億円、営業利益300億円を計上する会社をめざす。

 同社のスタートに伴い、三井不動産グループの住宅関連事業も再編された。
 三井不動産販売は、新築住宅販売受託部門を分割、不動産流通事業と駐車場事業に特化していくことで、「長期経営計画に基づいたビジネスモデルの革新とともに、さらなる成長をめざす」(三井不動産、代表取締役社長・岩沙弘道氏)としている。
 また、新たに「アコモデーション事業本部」を三井不動産に設置、持ち家にこだわらないさまざまな住宅ニーズが顕著化する中、「時間軸とサービス」の観点から居住・滞在空間をとらえ、ホテルから賃貸住宅まで幅広い商品・サービスを提供するとしている。
 リフォーム事業では、既存の住宅ストックが蓄積していることに加え、少子高齢化などライフスタイルに合わせて住まいを変えていこうという「リフォームニーズ」の高まりに対して、三井ホームリモデリングがグループ内の連携を強化し、今後、積極的に展開していく。
 今後、分譲住宅から、仲介、リフォームまで住宅に関するあらゆる商品・サービスを「ワンストップ」で提供していくグループをめざすとしている。


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