不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

全宅連、「今後の土地住宅税制のあり方に関する調査研究会」が中間とりまとめ発表

 (社)全国宅地建物取引業協会連合会(藤田和夫会長)の「今後の土地住宅税制のあり方に関する調査研究会」(座長:上智大学経済学部教授・山崎福寿氏)は24日、これまでの活動成果としての「中間とりまとめ」を発表した。

 同研究会は、税制改正要望に際しての理論武装と、土地住宅税制のあり方を根本から追求することを目的に、今年6月に設置。本格的議論がスタートした消費税率引き上げに伴う土地住宅税制のあり方と、07年度税制への要望にあたっての論点整理、現在の経済環境下で望ましい税体系のあり方などについて議論を行なってきたもの。

 今回の「中間とりまとめ」では、2007年度に期限となる特例措置の意義について掘り下げ、「特定の事業用資産の買換えの特例制度」と「居住用財産の譲渡損失繰越控除制度」についてその重要性を訴え、これらを含めた土地住宅税制の8つの特例の本則化を訴えた。
 「現在のような産業構造の転換期は、労働力、土地、資本がより生産性の高い利用者に流れていかなくてはならない。都市部における企業の事業再編や地方都市の中心市街地活性化にとって、事業用資産の買換え特例は非常に重要」(山崎座長)。「ストックの時代と言われているが、譲渡損失が出る経済環境下だったこの14年間、果たして本当の活用ができてきただろうか。その意味で、適切な住み替えを支援する譲渡損失繰越控除制度は延長すべきであり、恒久化すべきだろう」(全宅錬土地住宅対策委員長:市川宣克氏)。

 このほか、登録免許税特例措置の廃止や住宅ローン減税が市場に与える影響について、具体的なシミュレーションを行なっている。一方、消費税増税の与える影響については、「建物に係る固定資産税同様、不動産の高度利用や建設需要を阻害するものであり、新耐震住宅のストック増加にも悪影響を与えるもの」(山崎座長)とし、不動産市場や経済全般への影響は少なくないとしている。 

 同研究会は、2006年度末までにさらに2回程度の研究会を開き、消費税増税効果の具体的なシミュレーションなどを行なう。また、税制だけでなく、少子高齢化、街づくり、景観といったさまざまなファクターを満たすための税制・政策のあり方まで踏み込み、最終報告書として提示する方針。


最新刊のお知らせ

2025年6月号

本業に意外な効果!?不動産事業者のサイドビジネス ご購読はこちら