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マンション供給の狙い目、横浜以遠の「京急線」沿線と分析/トータルブレイン

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手掛ける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、「並行路線沿線市場シリーズ第2回 JR横須賀線&京浜急行本線・久里浜線市場」と題したレポートを作成した。横浜から一定距離を空けて並行して横須賀方面を結ぶ両線のマンション市場の相違点と共通点、現況と今後の市場見通しなどについて考察したもの。

 両線の1995年~2005年の新規分譲マンション市場を見ると、横須賀線は平均年間供給量は1,804戸、平均価格4,060万円、平均専有面積77.88平方メートル、平均坪単価173万円、初月成約率は77.7%だった。これに対し、京急線は平均年間供給戸数が1,968戸、平均価格3,741万円、平均専有面積76.81平方メートル、平均坪単価162万円、初月成約率77.4%と、非常に似通った結果となった。

 ただし、「横浜市以遠」については、供給戸数が横須賀線281戸に対し、京浜急行線は922戸と多く、初月契約率も横須賀線の69.0%に対し、京浜急行線は74.6%と高かった。これは、横須賀線は横浜以遠に北鎌倉・鎌倉・逗子という古くからの別荘地がある特殊な市場を抱えているためで、最後までファミリーマンション市場の京浜急行との大きな差となった。

 95年~96年と2006年の平均単価の乖離も、横須賀線が11ポイント差に対し、京浜急行線は21ポイントも開いており、その割安感が際立っている。
 また、借家100世帯あたりの供給戸数も、横須賀線の2.44に対し京浜急行線は1.69とその需給バランスがいいことから、売れ行きもおおむね良好に推移。

 これらの市場動向に加え、京浜急行線について(1)横浜~久里浜の乗車時間が20分以上短く、本数も圧倒している(2)駅前の整備が進み、駅前集積度も高い、といったポテンシャルの高さを指摘。「今後も、横浜以遠の京浜急行線はマンション市場として非常に楽しみである」とした。


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