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アジアの中心都市は「上海」に/森ビル・2006年アジアビジネスパーソン意識調査結果

 森ビル(株)は13日、2006年10月~11月にかけて実施した「アジアビジネスパーソン意識調査」を発表した。

 同調査は、アジア(パシフィックエリアを含む)各都市の評価等を把握することを目的としている。調査対象は、アジア主要5都市(上海、香港、台北、シンガポール、東京)の超高層複合ビルに勤務するビジネスパーソン(524名)であり、「ビジネス都市としての評価」、「総合的に魅力的な都市としての評価」、「ワークスタイル・ライフスタイル」に関する調査を行なった。

 「アジアにおけるビジネスの中心都市」では、香港(32%)との回答が最も多く、次いで上海(22%)、東京(21%)、シンガポール(20%)とほぼ同評価で続いている。都市別に見ると、現在では台北を除いて全ての都市のビジネスパーソンが自身の都市をビジネスの中心都市であると回答しており、特に東京(59%)ではその傾向が強い。しかし、5~10年後には全都市において上海がビジネスの中心であると回答する割合が1位となり、上海の将来性に対する評価が非常に高い結果となった。
 「アジアにおける総合的に魅力的な都市」では、シンガポール(24%)が最も多いが、上海(22%)、東京(22%)、香港(20%)とほぼ同じ割合となっており、各都市の評価が拮抗している。しかし、5~10年後の予想としては、上海(46%)が突出しており、ビジネスの中心都市としての評価同様、他の都市を大きく引き離す結果となった。
 また、5~10年後に最も魅力的な都市になる理由について「ビジネス環境」、「生活環境」、「その他」に分けて調査した。
 ビジネス環境では、“投資環境”“ビジネス市場規模”において都市間での差が見られ、上海がそれぞれ高い評価になっているのに対し、東京の投資環境に対する評価が非常に低い。次に生活環境を見ると、シンガポールと東京の“治安”に対する評価が高くなっている。

 アジアにおける都市間競争が激しさを増す中、本調査では上海がビジネス面でも、都市としての魅力面でも今後大きく地位を高めるという結果となった。一方、評価が低い東京では、魅力的な都市づくりを通して国際競争力を向上させることがより一層求められているといえる。


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