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「平成19年土地白書について」をテーマに講演会を開催/土地総研

 (財)土地総合研究所は21日、霞ヶ関ビル・東海大学校友会館(東京都千代田区)において「第129回講演会」を開催した。国土交通省・土地・水資源局 土地情報課長の麦島健志氏が「平成19年土地白書について」の解説を行ない、会場には100名ほどの受講者が集まった。

 第1部「平成18年度土地に関する動向」では、「社会経済の変化と土地に関する動向の変化」や「土地に関する動向」の解説が行なわれた。
 「社会経済の変化と土地に関する動向の変化」では、土地市場が活発化している要因に不動産証券化があるとした。中でもJREIT等の動向に関して、上場企業の不動産取引のうち、JREITまたはSPCが買い手となる割合が増加しており、売買価格ベースでみると平成18年度では、購入主体の約7割がJREITまたはSPCとなっていることを指摘。対象物件ではオフィスビルだけでなく住宅の割合が増加しつつあること、東京都心部での取得が困難になってきていることを例にあげた。
 また、現状の不動産投資市場に関して、「ルール・制度の整備」「透明性・信頼性」「長期安定の投資家層の厚さ」を不十分と評価する投資家が多いことも明らかとなった。

 「土地に関する動向」では、(1)国土面積3,779万haのうち、66%が森林で最も多く、次いで13%が農用地となっており、これらが全国土地面積の約8割を占めること、(2)売買による土地取引件数は全国では155万件(前年比▲3万件)と減少傾向にあるが、大都市圏では東京都46万件(同▲1万件)、大阪圏20万件(同▲1万件)、名古屋圏9万件(同変化なし)とほぼ横ばいであること、(3)地価動向についての対前年変動率は住宅地0.1%増、商業地2.3%増となるなど16年ぶりにわずかな上昇となったことなどをデータを基に説明した。

 第2部「平成18年度土地に関して講じた基本的施策」では、都市計画における土地利用計画の総合性・詳細性・実効性の確保などの「土地利用計画の整備・充実等」、優良な宅地供給の推進等による良好な居住環境の形成といった「宅地・住宅対策の推進」、不動産投資市場の透明性の確保や投資家が安心して参加できる市場の構築などの「不動産投資市場の整備」といった今後の方針を説明した。



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