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業界3団体の賃貸管理資格が統合、「賃貸不動産経営管理士」が誕生

「賃貸不動産経営管理士」ロゴマーク。「テナント・入居者」「オーナー」「賃貸不動産経営管理士」3者の融合・助け合いをイメージしたもの
新資格制度創設に伴い、その概要が記者発表された。会見に臨む3団体の代表。左から、協議会副会長の全日・川口貢氏、協議会会長の全宅連・藤田和夫氏、協議会副会長の日管協・亀山征夫氏

 賃貸不動産管理のプロフェッショナル育成を目的とした新たな資格「賃貸不動産経営管理士」が創設された。(財)日本賃貸住宅管理協会(日管協、会長:亀山征夫氏)、(社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連、会長:藤田和夫氏)、(社)全日本不動産協会(全日、理事長:川口貢氏)がそれぞれ運営してきた賃貸管理に係る資格制度を一本化するもの。新資格制度を運用する「賃貸不動産経営管理士協議会」が、7月23日に発足。今年10月に、初めての講習を実施する。

 賃貸住宅管理業務に関する資格制度は、日管協が2002年より「賃貸住宅管理士」制度を創設。全宅連が03年「賃貸不動産管理士制度」、全日が06年「不動産賃貸管理士」をそれぞれ立ち上げ、3団体の有資格者は約1万5,000人となっている。これらの資格を一本化することで、より多くの資格者を輩出し、賃貸不動産市場の活性化と健全化をめざす。資格創設に際し、(社)日本住宅建設産業協会(日住協、理事長:神山和郎氏)も新たに参加。4団体による運営を行なっていく。

 協議会は、「賃貸不動産経営管理士」資格の試験、登録・更新・移行講習に関わる各種事業、資格者への指導・支援・専門教育、同資格制度の普及・広報活動全般を行なっていく。会長には、全宅連会長・藤田和夫氏、副会長に日管協会長・亀山征夫氏、全日理事長・川口貢氏、日住協理事長・神山和郎氏がそれぞれ就任した。

 同資格は、賃貸不動産管理全般に係る知識と、管理実務に係る詳細な知識について2日間の講習を実施。終了後の試験に合格した者に、新たに登録講習を実施し、登録・資格書を発行する。講習に関する受講要件は設けないが、資格登録については宅建主任者もしくは不動産関連業務への3年以上の在籍が必要なほか、協議会が定めた「倫理憲章」への署名が義務付けられる。
 また、3団体それぞれの資格保有者も、移行研修を受講することで、新資格への切り替えを認める。資格の有効期間は5年で、5年ごとの更新講習を義務付ける。同資格の講習は、10月下旬から11月下旬にかけ、また登録講習は12月下旬から08年1月中旬にかけ、どちらも東京・大阪で開催する予定。

 協議会発足に際し記者会見した藤田和夫・同協議会会長は「賃貸不動産管理業務が持つ公共性と社会的意義の重要性から、より高度化・専門化する業務へ適切に対応できるスペシャリストの育成が必要と考え、3団体の統一資格実現に向け、協議してきた。今後、多くの資格者を輩出することが、賃貸管理の適正化と健全化につながると考えている」などと抱負を述べた。また、同資格の普及については「現在、民間の賃貸住宅数は約600万戸。賃貸不動産経営管理士1人が200戸を管理すると考えても、3万人の有資格者が必要となる。レベルアップをめざすため受講する人達を含めれば、6万人規模の資格になる」(同協議会理事・佐藤眞司氏)としている。


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