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プラス回復の期待を裏切る、大きな落ち込みに/住団連7月度「住宅景況感調査報告」

 (社)住宅生産団体連合会(住団連)は26日、経営者の住宅景況感調査(7月度)を発表した。

 同調査は、住宅業界の需要動向をタイムリーかつ的確に把握し、その情報を広く社会へ提供することを目的に、年4回、住団連の法人会員16社のトップに対して、戸建ておよび低層賃貸住宅に関し実施しているもの。

 平成19年度第1四半期(平成19年4~6月)実績の景況判断指数は、前年同期比で総受注戸数マイナス47ポイント、総受注金額マイナス40ポイントとなった。
 総受注戸数・金額ともに3四半期連続してマイナスに転落し、プラス基調回復の期待を裏切り、平成13年のデフレ不況時に匹敵するほど大きく落ち込んだ(前4月度総受注戸数マイナス23・金額マイナス23)。

 戸建て注文住宅は、受注戸数・受注金額ともにマイナス53ポイントと、1月期からのマイナス基調から浮上せず、マイナス幅は大きく落ち込んだ。
 戸建て分譲住宅は、受注戸数マイナス18・受注金額プラス・マイナス0であった。受注戸数は、平成17年の第3四半期以来の二ケタのマイナス、受注金額は前4月期に続いてのマイナスは回避したが、戸数の落ち込みの影響もあり、プラスには回復しなかった。

 低層賃貸住宅については、受注戸数マイナス17ポイント、受注金額もマイナス25ポイントとなった。受注戸数は平成18年10月期のマイナス転落からプラスに浮上せず、受注金額も前4月期からマイナスに転落と、ともに平成17年度第1四半期を底に、大きく受注を伸ばし住宅の牽引役を担ってきたが、マイナス基調が強まっているという結果となった。

 各社「やや景気回復の兆しは感じられるものの、まだ厳しい状態が続いている」、「プラス要因が少なく、先送り客が目立つ」、「苦戦している」など、厳しい状態であるとの判断となった。
 企業業績の好調さによる日本経済の回復基調が、実感として個人の家計所得に浸透せず、消費者物価指数も下落し、足踏み状態であることが推察される。
 
 また、平成19年度第2四半期(平成19年7~9月)見通しの景況判断指数は、総受注戸数プラス27、金額プラス30と、前年比大幅なプラスを見込んでいる。
 各社、「引き続き、営業力強化などの地道な努力を続けるしかない」、「受注回復基調に期待する」、「金利高に対する早期結論を期待」など、受注増に向けての積極的な意欲・期待を見せている。

 なお、平成19年度の新設住宅着工戸数の見通しについては、総戸数で126.3万戸、利用関係別では、持家35.3万戸、分譲住宅36.7万戸、賃貸住宅53.5万戸としている。


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