不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

全国平均2年連続上昇、変動率8.6%増/国税庁、平成19年分路線価発表

 国税庁は1日、平成19年分の相続税および贈与税の課税における土地等の評価額の基準となる路線価および評価倍率(路線価等)を、全国の国税局・税務署において公表した。

 これによると、全国の評価基準の平均額は、1平方メートル当たり12万6,000円(変動率8.6%増)となり、2年連続の上昇となった。
 圏域別では、東京圏が30万2,000円(同13.1%増)、大阪圏が16万1,000円(同8.1%増)、名古屋圏が10万8,000円(同9.1%増)、地方圏が5万1,000円(同0.0%)であった。
 その中で最も高かったのは、東京都の57万円(同17.0%増)。次いで大阪府が18万2,000円(同9.6%増)、神奈川県が16万9,000円(同3.7%増)となった。
 一方、最も低かったのは、奈良県の5万8,000円(同0.0%)であった。

 なお、都道府県庁所在都市の最高路線価は、東京都中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」が1平方メートル当たり2,496万円(同33.3%上昇)。以下、2位が大阪市北区角田町「御堂筋」の696万円(同40.3%上昇)、3位が名古屋市中村区名駅1丁目「名駅通り」の616万円(同33.9%上昇)となっている。

 また平成19年分路線価についての不動産業界のコメントは以下のとおり。

 (社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 藤田和夫氏
 「本会では『全国的な資産デフレからの脱却』をめざして、土地住宅税制のあり方研究会(座長:山崎福寿上智大学教授)を設置し、政策提言や要望活動を展開し、各種の税制改正等を実現してきたが、今回の路線化においては、地方圏でも横ばいとようやく下げ止まりの状況になりつつあり、その効果が表れ始めているといえよう。しかしながら、商店街のシャッター通りに象徴されるように個別地域ごとに見れば、地価の二極化傾向は鮮明になってきており、われわれとしては引き続き効果的な施策が講じられるよう政策提言等を行なっていきたい」。

 三菱地所(株) 取締役社長 木村惠司氏
 「全国平均は8.6%と明確な上昇を示し、15年ぶりに地方圏の平均も下落が止まった。これは、地方圏においても首都圏と同様、再開発や商業集積が進むエリアや、交通利便性や生活利便性の高い住宅地等に対する需要に加え、ディベロッパーやファンド・リート等が、地方圏の一部の中心都市等で積極的に不動産を取得していることもその一因である。一方で、中心部の商業エリアの空洞化や大都市圏への人口移動による住宅需要の減衰等により地価下落が継続している県も多く、二極化傾向は進んでいる。
 当社としては、丸の内再構築を積極的に進めているが、今年度から組織を見直し、支店の開発機能を強化した。首都圏以外のエリアにおいても積極的に開発を推進し、全国レベルでのマーケット活性化を図っていきたいと考えている」。


最新刊のお知らせ

2025年5月号

「事故物件」、流通の課題は? ご購読はこちら