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低層住宅対応“ハイ免震”の新商品・木製架台版、公開実験開催/エス・テク・リソース

実験で使用された木製架台、震度6強の揺れでも鉄骨上の鉢植えは落ちなかった
説明会風景。商品概要などを説明する遠藤社長

 免震建築の普及をめざすスターツCAM(株)の子会社で、小規模建築物用免震装置の製造・設計販売・施工の事業を展開しているエス・テク・リソース(株)(東京都江戸川区、代表取締役社長:遠藤慎二氏)は10日、小規模建物用免震装置“ハイ免震”の新商品・木製架台版「D・Wタイプ」の発表に伴い、公開実験を開催した。

 ハイ免震とは、エス・テク・リソースが清水建設(株)技術研究所と共同開発した小規模建物用の免震装置。2004年9月に改正された「免震建築物に関する告示」の対応商品のため、確認申請時における特別な構造評定が不要となり、低コストな工事が可能。2×4、鉄骨造などの2階建て住宅から設置ができる。
 同社では、戸建て住宅の免震の普及を図っており、開発から製造、販売、設計、施工、メンテナンスとトータル的なサポートを行なっている。
 また、06年8月には「すべり支承材」を開発するなど、コストダウンを実践してきた。

 今回は、さらなるコストダウンを目的として、従来鉄骨製であった架台を木製とした商品を開発。
 同社代表取締役社長の遠藤氏は、「木製架台タイプは、シンプルな部品で免震機能を発揮でき、建物土台との兼用が可能で、トータル的なコスト削減や工期短縮による省力化などが図れる」と述べた。

 公開実験では、木製架台の上に12tの鉄骨を用意、1995年に発生した「兵庫県南部地震」の神戸波・震度6強の振動で稼働させた。

 メンテナンスは、竣工時から5年毎に目視で点検。価格(D・Wタイプ)は20坪の2階建て住宅あたり150万円前後を予定している。

 「超高層建物は免震装置を採用しているものが多くなっているが、昨今続いている震災の状況を見ると低層住宅への必要性も高まっていくでしょう。今期は、ハイ免震搭載住宅100棟をめざしています」(遠藤氏)。


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