不動産業界団体6団体による「不動産業における犯罪収益移転防止及び反社会的勢力による被害防止のための協議会」が20日に発足。同日、第1回連絡協議会を開催する。
同協議会は、2007年3月に成立し、08年3月施行予定の「犯罪による収益の移転防止に関する法律」に業界一体となっての積極的な対応、コンプライアンス体制の確立を目的にしたもの。
同法では、犯罪による収益移転(マネーロンダリング)防止に向け、これまで金融機関本人確認法等により行なわれてきた顧客等の本人確認、取引記録の保存、疑わしい取引の届出等の義務対象事業者を大幅に拡大。新たに、宅地建物取引業者も不動産の売買(分譲・代理・媒介)の際にこれらの措置を行なうことが義務付けられた。
また、不動産業者は、「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(犯罪対策閣僚会議幹事会申し合わせ)でも、反社会的勢力が不動産取引等の経済活動を通じ、資金獲得活動を巧妙化していることが指摘されていたため、業界全体としてこれらに積極的に対応していく。
協議会は、(社)全国宅地建物取引業協会連合会、(社)全日本不動産協会、(社)不動産協会、(社)不動産流通経営協会、(社)日本住宅建設産業協会、(財)不動産流通近代化センターが参加。事務局を、近代化センターに置く。 今後、(1)不動産業者各社の犯罪収益移転防止・反社会的勢力による被害防止に関する責任体制構築に関する申し合わせ、(2)社員向け普及啓発用の資料、冊子等作成、(3)マネーロンダリングの疑わしい取引に関する情報の集約・共有化、提供、(4)研修等人材育成ツールの構築などを行なっていくほか、反社会的勢力に関する情報を集約するデータベース構築の可能性についても検討していく。