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全国のビル空室率5.3%に改善/ビル協「平成19年度ビル実態調査」

 (社)日本ビルヂング協会連合会と(社)東京ビルヂング協会は5日、「平成19年度ビル実態調査」の発表に伴う概要説明会を開催した。

 同調査(全国版)は、平成19年4月1日現在における日本ビルヂング協会連合会の会員1,306社にアンケートを実施したもので、646社(49.5%)、1,061棟(46.0%)の回答を得た。

 これによるとビルの有効面積比率は、小規模ビル(延床面積1,000坪未満)が76.1%、中規模ビル(延床面積1,000坪~3,000坪未満)が70.7%、大規模ビル(延床面積3,000坪以上)が64.2%となり、規模が大きくなるほど共用部分が充実していることがわかった。
 事務室および店舗の空室については、「空室有り」が481棟(46.5%)となった。このうち事務室空室率平均は5.3%(前回調査時6.6%)と、企業活動の好況を受けて改善しているが、小規模ビルの空室率は10.7%となるなど、規模別の差が生じている。
 また、店舗空室率平均は5.4%、圏域別では東京が1.7%、最も高いのは東京を除く首都圏の12.5%となった。

 今回より調査を開始した「建物の耐震性」では、「新耐震基準以降に建築したもの」、「新耐震基準前に建築したビルで耐震診断等により問題のないもの」、「耐震改修済みのもの」で75%を占めた。また、「近い将来建替えを予定しているもの」など、問題が解消されるものを含めると全体で86.1%となった。

 市場に対する意識調査では空室率は「上昇する」9.3%、「下降する」28.4%、「変わらない」62.3%と、全体としては下降傾向を見込む結果となった。

 東京版では333社にアンケートを実施、174社(52.2%)、397棟(40.0%)の回答を得た。これによると有効面積比率平均は63.4%、事務室の空室率は平均2.2%(前回調査時2.3%)、店舗空室率は1.7%となった。

 概要の説明を行なった同会専務理事の河原﨑守彦氏は「今回より調査を開始した『建物の耐震性』で、小規模ビルほど耐震補強に要する経費負担が大きいことが分かった」とし、今後の税制改正要望に中小企業に対する税額控除を盛り込むことを明らかにした。


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