三菱地所(株)は11日、建設中の「三菱一号館」(東京都千代田区)の煉瓦組積工事の建築現場見学会を開催した。
同物件は、1894年に竣工し、1968年に解体した旧三菱一号館を復元し、美術館として使用するもの。煉瓦組積造、地上3階地下1階建て、延床面積約6,000平方メートル。煉瓦や石、屋根のスレート葺きや銅版による板金、内装など伝統的な建築技術によって明治期の赤煉瓦造を再現する。
見学会では、1階の煉瓦や石工事の状況を開放。復元に当たっては、免震装置の基礎の上に、当時の工法に倣った煉瓦で壁を構築する。地下から3階まで、238個の煉瓦を積んでいく。
さらに、窓上部はアーチ状にし、アーチ部分に煉瓦の水平目地に挟まれた帯状の鉄板である「帯鉄」を敷きこむことで耐震性を確保した。
また、旧一号館は棟割長屋方式のため、部屋同士のつながりがなかったが、今回は部屋同士に入口を設け、回遊性をもたせた。また、旧一号館ではなかった空調設備も、地下や小屋裏に設置する予定。
竣工は2009年4月、美術館のオープンは10年春を予定している。