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開発開始から37年、「ユーカリが丘」まちづくり見直しへ/山万

山万代表取締役社長の嶋田哲夫氏
「ユーカリが丘」のまちの模型

 1971年より千葉県佐倉市ユーカリが丘の開発を行なっている、ディベロッパーの山万(株)(東京都中央区、代表取締役社長:嶋田哲夫氏)は、まちづくりの方向性を抜本的に見直す。ミキハウス子育て総研(株)やNPO法人「WITHママ」などが参画する「考える街委員会」を発足。住民・行政とも連携し、新たな方向性を模索する。

 ユーカリが丘は、総開発面積約245haのニュータウン。総計画戸数は約8,400戸、計画人口は3万人となっている。
 ニュータウンの多くが、さまざまな問題を抱える中で、ユーカリが丘は少子化対策と高齢者対策を同時に進め、人口のバランスを確立。高齢化率では全国の20.8%と比べ、13.7%と少なくなっている。また、30代、40代といった子育て世代の居住者も年々増加傾向にあり、まちを計画的に成長させた結果が現われている。

 同社は、「少子高齢化」「環境共生化」「地方分権化」「高度情報通信化」「国際化」の5つのまちづくりトレンドをキーワードにし、まちづくり事業を展開。「考える街」という新たなコンセプトを掲げ、ユーカリが丘のまちづくりを見直し、サスティナブルコミュニティの具現化に取り組んでいく。

 ニュータウンの交通利便向上のために、電動車両を活用した交通社会情報システムの研究開発を行なう。高齢者に配慮し、各家庭の側を通る自動コミュニティバスを、将来は利用できるようにする計画。早ければ10月に地域のフィールド実験がスタートする予定。

 また、同線「中学校」駅前の約11haに及ぶエリアには、「少子・高齢化対策」と「環境共生化」をテーマとした、ビオトピアを計画。駅ビル、店舗、健康ファミリーマンション、有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅、一戸建住宅等を一体的に整備していく。

 さらに、同線「地区センター」駅周辺の約2万5,000平方メートルでは、業務系施設、商業系施設、市民ホール、教育施設、集合住宅等の複合開発を行なっていく予定。

 17日会見した山万代表取締役社長の嶋田哲夫氏は「都市機能や働く機能も充実させ、単なるベッドタウンではなく、循環するまちをつくりたい。子供からお年寄りまで交流できるように、今後もまちの整備を行なっていきたい」などと述べた。


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