三鬼商事(株)は9日、2008年4月末時点の東京・大阪のオフィスビル市況を発表した。
東京のビジネス地区について、平均空室率は3.03%と、前月比で0.14ポイント上昇した。4月に完成した大型新築ビルが募集面積を残して竣工したこと、大型既存ビルに解約予告の動きが相次いだことが要因。空室率が3%台に戻ったのは1年7ヵ月ぶり。
ただ、都心5区では新規供給量が減少、ビルの規模やエリアを問わず品薄感があるため大きな変化は出ないとの見通しが強い。
大阪ビジネス地区の平均稼働率は5.33%と、前月比で0.20ポイント上昇した。梅田地区で解約や返室が相次いだことで空室面積が増加、船場地区で大型募集を開始した既存ビルが1棟出たことなどが要因と見られる。その他の地区でも解約や館内縮小の動きなどが見られ、1ヵ月で地区全体の募集面積が約4,000坪増加した。
新築ビルの募集状況は順調に推移している。募集面積を残して竣工するケースがあるものの、7月に完成予定の大規模ビルがほぼ満室となていることから、新規供給に伴う影響はないとの見方が多い。
今春はオフィス需要が伸びなかったものの、今後も建て替えに伴う大型需要が見込まれていることから、空室在庫の解消は再度進むものとみている。