(株)生駒データサービスシステム(IDSS)は26日、「全国の物流施設マーケット動向」を発表した。
調査方法は、各社プレスリリースを基に精通者ヒアリング調査を行ない、CBRE/IDSSにて独自に集計。2009年以降(予定)については、現状で確認できている09~11年までの竣工予定案件の合計としている。開発シェアは棟数ベースで集計した。調査対象は、メーカーや物流会社等による開発は含まず、不動産投資家、ディベロッパー等による開発物件とした。
不動産投資家等による全国の物流施設開発は、02年以降順調に実績が蓄積されており、08年は初めて年間供給量が延床面積で200万平方メートル(215.3万平方メートル)を超える予定。09年以降についても239万平方メートルの竣工が予定されており、今後も大型物流施設の開発が相次ぐとしている。
エリア別で開発動向をみると、首都圏、関西圏を中心に開発が進んでいるが、07年以降は中部、福岡、東北エリアで開発計画が発表されたこともあり、その他エリアのシェアが拡大している。
規模別開発動向では、延床面積で9万平方メートルを超える開発のシェアが年々増加。反面、延床面積3万平方メートル以下の開発シェアは減少傾向にある。マルチテナント型施設の供給であれば、延床面積3万平方メートル超が大半を占めており、これらの供給が大型シェアを押し上げているといえる。
物流施設投資マーケットは、02年以降順調に実績を積み上げており、09年以降の竣工予定を含めると延床面積ベースの累計で1,138万6,000平方メートル、棟数ベースの累計で291棟に達する。また、価額ベースでは2兆952億円を計上した。
02年以降、わずか10年程度で急拡大した物流施設投資マーケットであるが、不動産投資家等による大型用地を物色する動きは依然続いており、今後もさらなるマーケットの拡大が期待されるとしている。
供給予測に関しては、物流施設の着工量について、バブル期以降減少傾向を続けていたが、04年以降反転し上昇傾向をみせており、07年は、改正建築基準法等の影響もあり、06年の950万平方メートルから800万平方メートル程度まで落ち込みを見せた。
08年は840万平方メートル程度まで再度上昇し、09年以降については1,000万平方メートル前後で安定的に推移するものと予想。物流効率化を求めた統廃合の動きや既存施設の更新などを背景に、今後も大都市圏を中心に物流施設の供給は堅調に推移するものと想定されている。
また、関西圏の供給動向として、08年の供給予定は延床面積ベースで20万平方メートル超で過去2年の供給実績と比べると減少する見込みとなっている。一方、09年は約35万平方メートルの新規供給が予定している。
なお、関西に所在する大型賃貸物流施設の入居テナントの状況を調査すると、約8割が物流関連企業が占め、残り約2割は荷主が直接借主となっていることがわかった。