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「中小ビルのCO2対策 テナントの協力が必須」/東京ビル協

 (社)東京ビルヂング協会「中小ビル経営者研究会」(代表世話人:猪股徳臣氏、24社で構成)は28日、「中小ビル経営者ができる地球温暖化対策」を取りまとめ、発表した。

 同調査は研究会の考案したCO2排出量を算出するソフトを使用して、中小ビルにおけるエネルギー使用実態ならびに建築設備の動向調査を行なったもの。同研究会の会員ビルに限定し、記名式で実施された。

 これによると、原油換算1,500kl以上のエネルギーを消費する大型ビルの平均年間排出量106.9Kg・CO2/平方メートル年に対し、研究会参加企業ビルの平均年間排出量は68.9Kg・CO2/平方メートル年となり、用途複合化やテナント構成の違いはあるが、中小ビルの省エネが必ずしも遅れてはいないことがわかった。
 また、CO2排出量と空調の運転時間との相関が高く、営業時間に大きく影響されること、個別方式の空調が7割を占めるため、テナントの意識向上と協力が重要であることなどが明らかとなった。

 同協会代表世話人の猪股徳臣氏は「現状を把握することが温暖化対策の第一歩になると考えている。東京のビルの約7割が中小規模であり、今後も具体的なシミュレーションを提供していきたい」と語った。

 同研究会ではこの結果を踏まえ、テナントにCO2排出量の削減への関心を持ってもらうため、玄関ホールへの看板やポスターの掲示や、省エネ啓発リーフレットの配布などを実施することで、地球温暖化対策を積極的に実行していくとしている。


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