シービー・リチャード・エリス(株)(CBRE)は30日、賃貸物流施設の動向を全国規模で定期的にまとめた「ウェアハウスマーケットレポート2008年上期」を発刊した。
それによると、企業が物流業務をアウトソーシングする動きは大都市圏を中心に依然として続いており、拠点の統廃合により大型施設を求める需要がみられ、また、不動産投資家や開発会社を中心とした大型物流施設供給は依然活発に続いている一方、需要を上回る供給があった地域では一部の竣工物件に空室がみられるなど供給過剰懸念が表れてきているとしている。
首都圏では、大型施設の竣工が相次いだことが影響して、空室率は2007年12月時点の5.3%から08年6月時点では18.0%に上昇。湾岸部などの一部エリアにおいて空室を抱える施設が目立ち始めており、現状の需給バランスをみる限りは供給過剰感がみられると分析。
中部圏では、ニーズが底堅く賃料水準も安定、愛知の1坪あたりの平均募集賃料は3,130円と、07年の2,980円より5.0%上昇した。しかし中小の市場競争力に劣る賃料水準は下落傾向にあり、物件の二極化が進んでいるとみている。
関西圏では、1坪あたりの平均募集賃料は07年の3,640円から4,040円に上昇。これは高い賃料水準の新規供給物件がマーケットに放出されたことが大きく影響しており、実勢の賃料水準では供給過多の状況からテナント獲得競争が激化、募集賃料を調整されるケースがみられるとしている。
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