(株)矢野経済研究所はこのほど、「ビル管理市場に関する調査結果2008」を発表した。国内のビル管理業者235社に対し、面談・電話・ファックスによるヒアリング等を実施しまとめたもの。
07年度のビル管理市場は、前年度比104.8%の4兆1,434億円となった。不動産賃料の値上げなどによる市場環境の改善、長年続いた契約単価の低価格化傾向に歯止めがかかったため。また、清掃業務、設備管理、警備業務のビルメンテナンス主要3業務に加え、PM・FM業務や、工事業務等といった周辺業務にも注力し、成果として現れ始めている事業者も出てきた。
一方、08年度の市場規模は4兆1,767億円(前年度比0.8%増)と予測。「サブプライムローン問題の発生等により、国内景気は悪化傾向へシフト、ビル管理事業における市場環境においても再び悪化傾向となる」と分析し、「ビルメンテナンス主要3業務は、建築物の新設着工件数が伸長傾向となる可能性は小さく成長は望めない」としている。
なお、同業界の注目すべき動向として「業界再編」をあげ、「ビル所有者から信頼の厚い有力事業者が総合管理業者としての元請業者ポジションを確保し、実際の清掃業務、設備管理、警備業務などは、元請業者の管理の下で地場の中小事業者が担うという構図が見えてくる」とした。