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「住宅の長寿命化に関するシンポジウム」開催/住宅長寿命化推進協議会

シンポジウムの様子

 住宅長寿命化推進協議会は27日、「すまい・るホール」(東京都文京区)にて「住宅の長寿命化に関するシンポジウム―住宅の長寿命化が日本を変える―」を開催した。

 同協議会は、長期にわたって使用可能な質の高い住宅の建設や、適切な維持保全の実施、既存住宅の長期利用や流通などを促進し、良質な住宅ストックの形成の促進に寄与することを目的に設立されたもの。

 東京大学大学院経済学研究科研究科長の伊藤元重氏が、日本経済の復活や、資産として考える日本の住宅などをテーマに基調講演を行なった。同氏は「現在、50歳以上の人が日本の住宅の75%を所持している。こうした住宅が売ったり貸したりと流動化できるようにするために、ノンリコースローンのような住宅と金融が結びついた体制整備が必要。そのために、耐久力のある住宅を増やしていかなければ」と述べた。

 パネルディスカッションでは、(社)全国中小建築工事業団体連合会会長の青木宏之氏、(株)風 代表取締役の大久保恭子氏、積水ハウス(株)ハートフル生活研究所長の中村孝之氏、(独)都市再生機構都市住宅技術研究所長の渡部久仁雄氏が、東京大学生産技術研究所教授の野城智也氏をコーディネーターに迎え議論を行なった。

 ディスカッションの最後に、野城氏は「長期にわたって使用可能な住宅づくりは現在の技術で可能。今後は、住宅の適切な維持管理や、さまざまな人がまちを住み継いでいけるようなコミュニティの形成など、『住宅』と『まち』、それぞれの新陳代謝が図れるような体制づくりが必要になるだろう」とまとめた。


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