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東京都下でのマンション事業、戸建てとの差別化戦略が重要/トータルブレイン調査

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手がける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、東京都下エリアの新築分譲マンション市場の現状をまとめたレポートを発表した。JR中央線・青梅線、京王本線・相模原線、西武池袋線・新宿線・拝島線沿線を14エリアに分け、2000~04年の「旧価格市場」と05~08年の「新価格市場」で、供給戸数、販売坪単価、契約率、平均面積などを比較した。

 販売価格については、とくに人気の高い中央線沿線が旧価格比で60%の上昇となっているほか、京王線沿線が37%、西武池袋線が70%と大幅に上昇。都下全エリアでは平均35%の上昇と、首都圏平均の25%を大きく上回っていた。ただし、西武新宿線については8%上昇にとどまっている。

 逆に契約率は、旧価格時代と比べ、どの沿線も軒並み下がっていた。その理由として(1)新価格物件は、旧価格以上の値づけにもかかわらず、駅遠物件が目立っている、(2)販売価格を抑えるための専有圧縮が行なわれ、ユーザーニーズにマッチしていない、(3)ほぼ同じ価格で新築戸建てが購入できる、(4)グロス価格が6,000万~8,000万円となるエリアは、リーマンショック以降、富裕層やアッパーサラリーマン層の動きが止まり苦戦している、などをあげている。

 レポートでは、同エリアでのマンション事業について「基本的に戸建てニーズが強く、戸建てに対抗するための広さが必要となるため、グロス上昇に直結する」、「その戸建ても、駅徒歩10分前後の好立地での供給が多く、マンションは駅近立地が絶対条件となる」と分析。「沿線・エリアごとに細かく市場ニーズ・民力からグロスアッパーを探り、戸建てとの差別化戦略を立地・価格両面で行なうことが重要」と結論付けている。


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