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京浜東北線沿線でのマンション事業、「地元完結型」意識すべき/トータルブレイン調査

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手がける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、JR京浜東北線(「大井町」駅~「横浜」駅)沿線の新築分譲マンション市場の現状をまとめたレポートを発表した。沿線を5つのエリアに分け、さらに海側(京浜東北線)・山側(京浜急行線寄り)での市場動向について、1995~2005年の「旧価格市場」と06~08年の「新価格市場」で、供給戸数、販売坪単価、契約率、平均面積などを比較した。

 レポートでは、京浜東北線沿線全体の特徴として(1)大井町~大森と横浜エリアの山側の価格上昇率が40~60%と都心並み。海側エリアも大幅な上昇がみられた、(2)交通利便性が良好で人気沿線の割には、価格上昇のタイミングが06~07年と遅かった、(3)中古市場の上昇率は10~15%と新築より低い、(4)特に海側がマンション市場と新築戸建市場がバッティングするケースが多い、などと分析している。

 また、民力や地位(じぐらい)に関係なく大幅に価格上昇したことから、駅前タワーや再開発物件を除き、販売が苦戦しており、高値市場が受け入れられていないことを指摘した。

 レポートでは、同エリアでのマンション事業について「上昇率が低い中古市場と大幅な上昇がみられる新築市場との乖離率が拡大傾向になっており、新築市場が上昇しすぎている」と分析。「同沿線はそもそも利便性の割には広域集客が難しいため、地元がターゲットとならざるを得ない。地元の民力は低く『地元完結型』傾向が強いため、以前の旧価格市場のような“広さよりもグロス圧縮型”のそこそこ割安感ある商品が必要」と結論付けている。


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