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東京23区のビル空室率、2010年以降改善へ/森ビル調査

 森ビル(株)は13日、「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査」(2008年12月末時点)の結果を発表した。

 同調査は東京都23区の事務所部分の延床面積が1万平方メートル以上の「大規模オフィスビル」を対象に、1986年より需給動向に関する調査を実施している(速報値は2月に発表済)。今回、2008年11月に実施した「08年 東京23区のオフィスニーズに関する調査」を踏まえ、需給動向の詳細分析および今後のオフィスマーケットに対する考察を行なった。

 それによると、供給動向については、2009年(87万平方メートル)、2010年(89万平方メートル)はいずれも過去平均(104万平方メートル)を下回るが、2011年(157万平方メートル)、2012年(141万平方メートル)は過去平均を上回る見込み。
 規模別では、今後5年間3万平方メートル以上の超大規模オフィスビルが77%と引き続き高い割合となり、エリア別では、今後5年間都心3区における供給量は全体の5割に減少し、そのうち6割強が建替計画になるとみている。

 需要動向については、2008年の新規需要(34万平方メートル)は新規供給(65万平方メートル)の半分程度にとどまったため、需給ギャップが拡大、その結果、空室率は07年の2.5%から3.8%に上昇した。また、2008年9月以降の急激な景気後退に伴い、企業の新規賃借意向は減衰したと分析している。

 今後の需要予測について、2009年は、2008年9月以降の景気後退に伴い、上半期は縮小移転や統合移転などの動きにより総稼働面積の縮小が進行した一方、下半期には、前期比の実質GDP予測などにおいて景気底入れの兆候が見られることから、総稼働面積は徐々に回復すると予想した。しかし、年間吸収量(新規需要)は3万平方メートルにとどまり、2009年末の空室率は7.1%に悪化すると分析した。2010年以降については、前年度比の実質GDP予測がプラスに転じ、景気の先行きに対する不透明感が払拭されることが予想されることから、年間吸収量(新規需要)は供給量を上回って推移し、空室率は改善に転じると予測している。


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