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過去5年間に空家率が大幅上昇したのは、福岡市、札幌市、仙台市/ニッセイ基礎研究所レポート

 (株)ニッセイ基礎研究所は4日、「住宅・土地統計調査(速報)にみる住宅と居住状況の変化」と題した不動産投資レポートを発表した。

 同レポートは、今年7月28日に公表された「平成20年住宅・土地統計調査」の速報集計結果をもとに、住宅および居住状況の変化に関するポイント等を整理したもの。

 「平成20年住宅・土地統計調査」の速報集計結果によると、2008年10月1日現在の全国の住宅総数は5,759万戸であり、03年~08年の5年間に370万戸増加(6.9%増)。
 そのうちの空家数は756万戸で、5年間に9万7,000戸増加(14.7%増)し、この結果、空家率は12.2%から13.1%へと上昇した。

 ニッセイ基礎研究所では、同調査の空家の区分を、賃貸用、売却用、二次的住宅、その他から、賃貸住宅の空家率と賃貸用以外として持家系住宅の空家率を算出した。

 結果、08年の賃貸住宅の空家は409万戸で、空家率は18.7%、持家系住宅の空家は347万戸で、空家率は10.2%であった。
 03年からの5年間に、賃貸住宅の空家が42万戸増加(11.4%増)、持家系住宅の空家が55万戸増加(18.8%増)しており、空家の増加は、賃貸住宅より持家系住宅で多かった。

 また、同期間の住宅総数(居住世帯のある住宅と居住世帯のない住宅の合計)は、持家系住宅では225万戸増加(7.1%増)し、賃貸住宅では99万戸増加(4.8%増)している。
 よって、増分だけでみると、この5年間に、持家系住宅として増加したうちの24%(55万戸/225万戸)が空家に相当し、賃貸住宅では増加分の42%(42万戸/99万戸)が空家に相当するとしている。

 同様に、主要都市別に持家系住宅と賃貸住宅の空家率を算出。03年からの5年間の変化をみると、全体の空家率が大幅に上昇しているのが、福岡市、札幌市、仙台市で、空家率が低下しているのが、名古屋市と大阪市となった。

 東京23区では、持家系住宅の空家率が8.3%から10.8%に上昇している。一方で、賃貸住宅の空家率が14.9%から13.6%低下している。

 そのほか詳細は、同社ホームページ参照。


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