シービー・リチャードエリス(株)(CBRE)は、2009年9月時点の首都圏における賃貸物流施設の空室率を発表した。千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県にある延床面積1万坪以上の物流施設48棟についてヒアリング調査したもの。
09年9月期の首都圏の大型マルチテナント型施設の空室率は19.9%(前回調査時点比3.6ポイント増)。既存施設でまとまった面積の成約がみられたが、今期竣工した3棟がテナント未定のまま竣工したことや、前期に竣工した施設の空室消化が進まなかったことが、空室率を押し上げた要因となった。
今後については、09年内に1棟の新規供給が控えているものの、2010年以降は新規供給が限定的なため、空室率が大きく悪化することはない、としている。
また、竣工1年以上の既存施設は、まとまった面積の消化がみられたこともあり空室率は8.8%(同▲3.2ポイント)と低下した。時間を要しながらも順調に空室が消化される施設もみられるが、一方で長期的にテナント誘致に苦戦している施設もあり「同一エリア内にあっても施設によっては空室消化状況に格差がみられ始めている」としている。