三井ホーム(株)は、北海道立北方建築総合研究所(北総研)との共同研究をベースに、再生可能エネルギーを活用した住宅の開発に乗り出す。
北総研は、建築・まちづくりを研究する地方自治体で唯一の試験研究機関。ハウスメーカー、業界団体、大学、NPOなどと共同で、まちづくりや建築、住まいに関する調査研究を行なっている。
同研究所との共同研究「住宅の運用基礎エネルギー自給システムとその利用法に関する研究」は、2005年度から取り組んでいるもので、対象となる研究開発技術は、「再生可能エネルギー利用システム」、「低負荷型外皮システム」、「高効率設備システム」の3つ。
具体的には、(1)屋根一体型集熱器による高効率給湯システムによって、住宅運用エネルギーの3分の1を占める給湯エネルギーの大幅削減、外観意匠性の向上を可能にする、(2)外壁や開口部等を高断熱化し、部分断熱区画を導入、太陽熱をはじめとする内部取得熱の有効利用を図る、(3)防犯・防雨性に優れる通風窓の設置、(4)自然採光の確保と採光性を持った新たな壁体技術、(5)高効率照明システム、(6)コストパフォーマンスに優れる小規模型太陽光発電システムと蓄電システム等を設置し、エネルギーの自給を図るといった技術開発を進めていく。
研究技術を導入した場合、次世代省エネ対応住宅と比べて52%、新省エネ対応住宅と比べて70%のCO2排出量の削減が可能。
また、これまで「省エネ住宅=設備住宅」で、設備にコストがかかっていたことを反省し、今後は、躯体性能を上げることで省エネ性を高め、コストダウンをめざしていく。
いずれも実用化は1、2年後になる見通しで、すべての技術を取り入れた場合でも、延床面積40坪で同社標準仕様と比較して坪当たり9万円程度のコスト高に抑える方針。