国土交通副大臣・馬淵澄夫氏は、12月9日、東京・千代田区で開催された日本不動産ジャーナリスト会議での講演で、民主党がマニフェストで掲げた建築基準法の見直しについて、2011年度改正をめざしたいと語った。
席上、同氏は「法改正は喫緊の課題だが、じっくりと取り組まなくてはならない。来年の通常国会に向けて法案を用意するのは難しい」と述べ、10年度は幅広く意見を聞きながら、要望の多い事項については政省令、告示、通達などで弾力的に対応することで改善していき、法改正は11年度を目途に取り組んでいく考えを明らかにした。
同法改正にあたっては、(1)確認審査の迅速化、(2)申請図書の簡素化、(3)厳罰化、の3つを目標に09年10月から関連各機関等のヒアリングをスタート、審査期間の短縮化や、細かい申請手続きの省略化、などさまざまな検討課題が明確になってきている。これらを来年度じっくりと検討し法案づくりに取り組む構え。建築基準法改正と合わせ、建築基本法の制定についても検討を重ねていく方針。
また、12月8日に出された緊急経済対策に盛り込まれた「住宅エコポイント」については、「『屋根・壁』については、住宅建築の施工段階からチェックしないと省エネ仕様かどうか特定できず、悪質なリフォーム業者を横行させる温床にもなりかねない。『住宅設備』については、すでに取り組んでいる電化製品などのエコポイント制度で対応できる。よって今回の経済対策では、『開口部』のみに限定したエコポイントとしたが、引き続き検討し、今後運用するなかで見直しを図っていきたい」と述べた。