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築40年の下宿をコミュニティ型シェアハウスにリノベーション/ブルースタジオ

“人とのつながり”を求め、コミュニティのある暮らしを志向する層も確実に増えている。写真はシェアハウス「下北沢pinos」の共用廊下
「下北沢pinos」エントランス。ちなみに「pino」はスペイン語で「松の木」の意味
「下北沢pinos」は、スペインアンダルシア地方の住居がモチーフ。外壁には白い漆喰壁を、アプローチ階段にはテラコッタ風タイル、スペインタイル風を施工した
キッチンから眺めたリビング(上)。リビングの壁にはパエリアのパンがコミュニティの象徴として掛けられている

 (株)ブルースタジオは11日、同社が進めている木造アパート再生プロジェクト第6弾目となる「下北沢pinos(ピノ)」(東京都世田谷区)の内覧会を開催した。

 「下北沢pinos」は、京王線・小田急線「下北沢」駅徒歩5分に立地する築40年(推定)の元下宿用建物(下北沢堀川荘)を、“つながり付き賃貸住宅”として全9室のシェアハウスにリノベーションしたもの。

 周辺が起伏に富んだ丘陵地で、同物件へのアプローチも路地を進んだ奥にある階段を上がる構造になっていることなどから、“スペインのアンダルシア地方の住居”をモチーフに採用。
 外壁に白漆喰、アプローチ階段の装飾にテラコッタ風タイルやスペイン風タイルなどを施した。

 建物内には、7~12.7平方メートルの居室9室のほか、住人が憩い集える空間としてダイニングキッチンおよびリビングを玄関からすぐの場所に配置。そのほかの共用部分としてシャワールーム2基、コインランドリー2基、バスルーム1ヵ所を設置している。

 なお、同社がシェアハウスを手がけるのは初めて。そのため、企画にあたってはシェアハウス専業業者などにヒアリングを重ね、シェアハウス運営を円滑化させるためのポイントを随所に盛り込んだ。
 具体的には、入居者が男性だけ、女性だけとならないよう配慮するほか、入居希望者がコミュニティのある暮らしに向いているかどうか、同物件の仲介・管理会社で同社グループ会社の(株)ホワイトスタジオが面談で確認する。また、ホワイトスタジオでは今後も継続的にコミュニティ促進のためのイベントを開催していく予定。

 ターゲットを社会人に絞り込むため、賃料は6万5,000~7万5,000円、管理費1万円(水道光熱費込み)に設定。
 これまでホームページやブログ、メールマガジンなどにおける事前告知のほか、オープンハウスを2日間開催したところ、すぐに女性4名、男性2名、計6件の入居申込みが入った。
 
 ちなみに、リノベーション前の賃料は3万~4万円台。空室も少なくなかった。そのため、同物件のオーナーからは「下宿とシェアハウス、あまり居住形態が変わらないようにも感じるが、リノベーションの企画や運営次第で賃料がこんなに変わるものなのか」と喜んでもらっているという。


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