シービー・リチャードエリス(株)(CBRE)は15日、同社の関連会社であるシービー・リチャードエリス総合研究所(株)と同社研究顧問早稲田大学大学院ファイナンス研究科川口有一郎教授による共同研究「2007-09年の金融危機が日本のオフィス市場に与えた影響」の成果概要を発表した。
同研究は、今般のグローバル金融危機が不動産市場に与えた影響を中長期的な視点から分析したもの。
これによると、不動産資本市場では、金融の信用不安に起因してJREITの投資口は07年5月のピーク時点の3分の1程度まで急落。信用市場をクレジットインデックス(CDS指数)で分析したところ、不動産資本市場を原因とし、JREIT投資口価格が影響を受けたことがわかった。
また、オフィスビルの資本市場については、金融危機が価格に与えた影響はJREIT投資口価格への影響に比べると比較的小さいとし、不動産市場の情報効率性と流動性が株式市場に比べて低いため、タイムラグを伴うことが要因の一つであるとした。
こうした分析の結果、実体経済や金融資本市場に比べれば、日本の不動産資産市場や賃貸市場への影響は限定的であり、バブル崩壊後の影響に比べてもマイルドである、としている。