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受注回復するも棚卸評価損計上により営業損失387億超に/積水ハウス10年1月期決算

 積水ハウス(株)は1日、2010年1月期決算を発表した。

 当期(09年2月1日~10年1月31日)の連結売上高は1兆3,531億8,600万円(前期比▲10.6%)、営業損失は387億5,400万円(前年同期:営業利益739億6,000万円)、経常損失は387億5,800万円(同:経常利益770億7,200万円)、当期純損失は292億7,700万円(同:当期純利益115億1,600万円)となった。

 同社では、戸建住宅および賃貸住宅において「快適性」「経済性」「環境配慮」に対する顧客のニーズに応えた環境配慮型住宅「グリーンファースト」の積極的な拡販および商品のラインアップ拡充など、シェア拡大に向けた営業展開を実施。「グリーンファースト」は第6回「エコプロダクツ大賞推進協議会会長賞(エコプロダクツ部門)」を受賞した。
 また、総合住宅研究所(京都府木津川市)内に大規模体験型展示施設「関西住まいの夢工場」を新設し、同社のさまざまな技術紹介を通じた販売強化に努めるとともに、販売促進イベント「住まいの参観日」を全国で開催し、受注拡大を図るなどした。
 こうした取組みの結果、同第3四半期以降の受注に回復が見られたが、地価下落の影響を受け、棚卸資産評価損678億円を売上原価として計上した。

 セグメント別では、工業化住宅請負事業において太陽光発電システムや家庭用燃料電池エネファームを搭載した「グリーンファースト」の販売強化とともに、4月には同社オリジナル瓦一体型太陽光発電システムを標準搭載した鉄骨戸建住宅「ビーエコルド カジュアル グリーンファースト」や木造住宅「エム・ナチュラ グリーンファースト」を発売。太陽光発電システム搭載住宅、家庭用燃料電池の受注は当初目標を超える約7,000棟、約1,200台となった。
 戸建住宅は受注が回復基調となったが、賃貸住宅については依然として厳しい状況が続き、売上高5,903億7,600万円、営業利益485億6,400万円となった。

 不動産販売事業においては、戸建住宅販売事業で「グリーンファースト」の販売促進の一方、国交省が提唱する長期優良住宅先導的モデル事業にも積極的に取組み、買取再販住宅である「エバーループ」では「エバーループ参観日」を開催。しかし、ユーザーの購入意欲の低迷により受注は引き続き低迷し、また、分譲マンション事業でも市場の価格調整圧力が強まったことで受注改善には至らず、売上高2,535億7,200万円を計上。棚卸資産評価損の計上により営業損失731億300万円となった。

 次期については売上高1兆4,400億円、営業利益510億円、経常利益500億円、当期純利益270億円を見込んでいる。


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