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2010年のマンション市場、おおむね回復基調に/トータルブレインが予測

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手がける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、2009年のマンション市場を振り返りながら、10年の同市場を予測したレポートを発表した。

 同レポートでは、09年のマンション市場について(1)供給戸数、着工数とも激減し大底へ、分譲価格は低下局面も、都内・神奈川はまだ高水準、(2)用地価格は二極化、建築費は大幅下落、(3)契約率は回復基調、(4)インセンティブ・アウトレットマンション販売から、適正価格での売出しへ、(5)ディベロッパー破たんが一巡し消耗戦へ、などを挙げ、「07年後半から始まり08年に本格化したマンション不況が、大底を迎えた年だった」と分析した。

 そうしたなかで、価格が下がれば売れることがわかったこと、建築費が旧価格時代水準まで低下したこと、金融機関の融資姿勢が若干変化したことなどを「好材料」とし、これらを踏まえた10年のマンション市場特性について、(1)10年年明けの顧客の動きはよく、購入マインドも様子見から徐々に買いモードに、(2)マンション市場もデフレ経済下にあり、ユーザーの買い上がりは期待できないことから、顧客マインドにマッチしたグロス価格設定が必要、(3)市場の本格的回復には、好調な売れ行きを見せる一次取得者向けの郊外大型物件の出現がカギ、などと予測した。

 同社は建築費、マンション用地、金融環境、販売環境のすべてにおいて、10年は、08年・09年より事業環境が大幅に改善されることから「分譲マンション市場は、08年~09年の“土砂降り”から、10年前半は“小雨”に変わり、ファミリー向け分譲マンションは、先が見えつつある“曇りときどき晴れ”の状態」としながらも、「高額高級マンション市場などファミリー向けマンション以外の建設・不動産全般は、“強めの雨”が続く」と結論づけている。


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