(株)矢野経済研究所は4日、マンション管理市場に関する調査結果を発表した。
分譲マンションの管理市場規模を管理費ベースに推計(修繕積立金を除く)、また、共用部修繕工事市場規模を分譲マンション共用部に係る修繕工事の市場規模として推計したもの。調査期間は2010年1月~4月、調査対象はマンション管理事業者(11社)、調査方法は同社専門研究員による直接面談及び文献調査併用。
マンション管理費市場規模(管理費ベース)は、08年5,440億円(前年比5.4%増)とした。同年の管理戸数及び管理部門売上をベースとした上位10社のシェアは44.2%。同11~20社で14.5%、同21~30社で6.8%、それ以外で34.5%とした。
09年は5,621億円(同3.3%増)とし、新築分譲マンション着工戸数の堅調な伸びにより03年以降、年率6~7%で成長してきたが、昨今の不動産市況の低迷及び外部環境の悪化により09年以降の伸び率は2%程度に落ち込んだとしている。
そのほか、注目すべき動向として、新築分譲マンション市場の先細りによりリプレースマーケットが激化すること、マンションという建物を総合的に管理する「住生活総合サービス業」にシフトしていることを挙げている。
一方、共用部修繕工事市場規模は、08年5,024億円(同7.5%増)、09年5,746億円(同14.4%増)と推計した。
今後のマンション管理費市場の市場規模は、10年5,729億円(同1.9%増)、11年5,847億円(同2.1%増)を予測し、大手管理会社のシェアが高まるとした。具体的には、マンションディベロッパーが倒産した場合にその系列管理会社が大手管理会社によって買収されること、大手管理会社同士による合併等も十分に考えられることなどを挙げている。
共用部修繕工事市場は、築年数別のマンションストック数と工事部位別の修繕周期との関係から10年、11年は若干落ち込むものの、14年までに6,038億円まで拡大するとした。