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都心への距離、交通利便性に再評価/トータルブレイン、都内城東・城北エリアのマンション市場を分析

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手がける(株)トータルブレイン(東京都港区、取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、「都内・都心の市場検証~城東・城北エリア~」と題したレポートを発表した。

 東京都内のいわゆる城東・城北エリア(台東区・墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区・板橋区・北区・豊島区・足立区・荒川区)と、沿線が重複する練馬区から都心部へ向かう鉄道16路線・122駅をピックアップ。各駅圏での(1)旧価格(2000~04年)の年間平均供給戸数、(2)直近(08~10年4月)の年間平均供給戸数、(3)今後の供給材料などから受給バランス等を分析した。

 両エリアは、旧価格時の供給量と直近の供給量の差異が他のエリアより小さく、旧価格からの価格上昇率も23%と、区内平均より低かった。しかし、工場跡地の再開発など駅遠物件の比率が高まり、特に城北エリアでの売れ行きが悪くなっている。また、借家100世帯に対する供給材料は2.17と郊外並みに多いことから、やや注意が必要としている。

 一方、沿線別・駅別に市場をみていくと、東京スカイツリー効果でポテンシャルが大幅にアップした半蔵門線(清澄白河駅~押上駅)や京成線(押上駅・京成曳舟駅)、再開発の進んだJR総武線(錦糸町駅)などを筆頭に、受給バランスは良好だった。

 同社は、両エリアの市場特性について(1)大型面開発・再開発によりポテンシャルが大幅アップ、(2)都心への距離感が再評価、(3)新線開発により交通利便性が向上、(4)もともと単価相場が低く、単価上昇ののりしろが大きかった、などの理由から「高体力のユーザーが、城東・城北の地元層が買えない価格帯を検討してくれるため、グロス価格を一気に上昇させることが可能となっている」と分析している。
 ただし、それが可能な物件は、都心6キロ圏までで沿線力・駅力・駅近の条件を満たすものだけであり、その他の物件は地元の購入体力に合わせることが重要だとしている。


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