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物件売却や賃料改定により減収も、純利益は回復/ヒューリック10年12月期第2四半期決算

 ヒューリック(株)は7月29日、2010年12月期第2四半期決算を発表、8月2日に説明会を開催した。

 当期(10年1月1日~6月30日)の連結売上高は152億5,400万円(前年同期比▲1.2%)、営業利益は71億5,000万円(同▲2.3%)、経常利益は58億3,100万円(同5.3%増)、当期純利益は32億3,600万円(同61.1%増)。

 なお、固定資産税売却益、投資有価証券売却益などによる特別利益10億3,681万9,000円(前年同期3,973万9,000円)を計上。特別損失については14億9,785万6,000円(同18億3,912万円)となった。

 主力の不動産事業においては、築年数の古い物件を中心に立地特性に適した建替えを推進し、期中には「ヒューリック両国ビル」(東京都墨田区)、「ヒューリックレジデンス草加」(埼玉県草加市)、「ヒューリックコート元代々木」(東京都渋谷区)、「アイリスガーデン北浦和」(埼玉県浦和市)、「ヒューリックレジデンス西宮北口」(兵庫県西宮市)の5物件を竣工させた。
 一方、「中目黒センタービル」(東京都目黒区)を売却した影響などもあり、営業収益は138億4,000万円(同▲1.2%)、営業利益は79億7,200万円(同 ▲4.3%)にとどまった。
 
 なお、当期において、5件の建替計画が進行しているほか、8件の建替計画に着手する予定。
 同社が所有する全物件の10年6月期の空室率は1.6%、平均賃料は1万9,905円/坪。

 同社代表取締役社長の西浦三郎氏は、「主力のオフィス事業においては、賃料をマーケット並みに下げれば空室率は下がるが、当社では単に空室を埋めるのではなく、賃料とのバランスを見極めて収益をコントロールしていきたい。また、今後はオフィスを中心としつつも、賃貸住宅、高齢者施設、ホテルなどの他の用途も積極的に取り入れていきたい」などと語った。
 
 今後の資産ポートフォリオの拡大について、具体的には、「雷門Fビル」(東京都台東区)の建替えにおいてホテル事業を検討するほか、「ヒューリック新橋ビル」(東京都港区)、「新橋山口ビル」(東京都港区)の建替え再開発計画において、周辺ビルの購入交渉合意の目処がたったことにより1ブロック一体での開発計画(敷地面積1,625平方メートル、延床面積約1万5,000平方メートル、地上16階地下2階)を進めることなどを発表した。

 通期については、売上高335億円、営業利益155億円、経常利益120億円、当期純利益65億円を見込む。


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