(株)不動産経済研究所は8月4日、首都圏新築分譲マンションのオール電化物件に関する調査結果を発表した。調査期間は、09年の1年間および10年上半期(1~6月)。
09年のオール電化マンションの供給戸数は4,449戸(前年比▲47.8%)と半減し、全供給戸数(3万6,376戸)に対するシェアは12.2%(同▲7.3ポイント)となった。ディベロッパー各社が建築コストの上昇などによって上がり始めたグロス価格を抑えようと、住戸専有部の設備面のコストダウンを図り、オール電化の採用が見送られたのと、07年7月に発生した新潟県中越地震で生じた柏崎原発の稼働停止によって、安定的な電力供給に不安が起こったことが普及拡大の足かせになったとしている。初月契約率は73.6%(前年比2.7ポイントアップ)で、4年ぶりのアップとなった。
また、10年上半期は2,363戸(前年同期比27.8%増)、全供給戸数(2万171戸)に占めるシェアは11.7%(同0.1ポイントアップ)となった。複数の新規大型案件がオール電化を採用したことで、戸数・シェアとも回復。柏崎原発の再始動も影響していると分析している。また、初月契約率も84.8%(前年同期比7.9ポイントアップ)と、売行き面でも回復傾向が鮮明となった。
10年上半期に供給されたオール電化マンション2,363戸のうち1,132戸(同189.5%増)が電気式床暖房を設置し、設置率は47.9%(同26.8ポイントアップ)と大きく伸長。首都圏マンションの供給が大手主導、東京都区部への回帰が鮮明となるなか、高価格帯の物件で設備面の充実化が進んでいることが伺えた。