(財)不動産流通近代化センターは16日、「高齢者向け賃貸住宅事業の新たな流れ、方向性について」と題した調査研究事業のとりまとめを公表した。
同とりまとめは、(1)日本の人口、世帯構成の変化などにもとづくマクロ的な視点、(2)高齢者向け賃貸住宅事業を行なっている事業者などに対する面談ヒアリング調査などのミクロ的な視点、の両面から調査を実施、今後の高齢者賃貸住宅事業の新たな流れ、方向性の検討、分析を行なったもの。
マクロ的な視点では、高齢社会は今後、年齢が上がるにつれ女性比率が高くなり、単独世帯・夫婦のみ世帯が大多数を占めるようになるなどと分析。また、高齢者世帯の持ち家比率の高さ、公的賃貸住宅の居住率の高さを指摘し、各世代のなかで最も安定した住まいを確保している現状を示した。
ミクロ的な視点では、全国の高齢者向け賃貸住宅100棟の運営者へヒアリングを実施。今後の高齢者向けの賃貸住宅事業を進めていくポイントとして、(1)今度の主要対象は団塊世代の女性であること、(2)健常者向け、要介護者向け住宅を見極めて住宅供給を行なうこと、(3)箱貸し事業ではなく、適切な生活支援サービスの提供、介護・医療のバックアップが不可欠、(4)入居者がサービスを選択できること、(5)介護保険などの行政制度に依存する事業は制度変更などによる事業運営リスクがあること、(6)エリア・ビジネスであることから、地域との交流・多世代との交流が重要である、などを挙げている。
同報告書の内容は、9月下旬より、同センターホームページにて公開予定。